2012年9月6日木曜日

なでしこジャパンの歴史的快挙。古き良き日本。


サッカー日本女子、「なでしこジャパン」世界一!

夜明けとともにもたらされたこの一報は、日本全土を感動に震わせた。



過去、日本はアメリカと25回対戦し、0勝22敗3引き分け。

アメリカが日本から合計77点も取ったのに対し、日本の得点は、たったの13点。アメリカの得点力は、日本の6倍もあった。

それもそのはず、アメリカの世界ランキングは、堂々の世界一である。





準決勝で日本に敗れたスウェーデンの監督は、決勝戦ではアメリカが勝つと予想していた。

「日本がアメリカからどのように得点を奪うのか、本当にイメージできない。」

おそらく、世界の誰もがそう思い、アメリカは悠々と金メダルを手にするはずだった。

ところがっ……!



運命の決勝戦の前日、日本の佐々木監督は、こんなことを言っていた。

「監督としてアメリカに5連敗しているが、そろそろサッカーの神様が1勝をくれても良い頃合いだと思う。」

今大会で見事MVPに輝いた日本の主将・澤選手は、こう言っていた。

「サッカーの神様が、最高の舞台でアメリカと戦うチャンスをくれたのだと思います。ただチャンスをつかみたいと思います。」



世界最高のサッカーチームを作り上げた両人は、決勝戦を目前にしながら、どこか「力」が抜けていて、どこか「神だのみ」的であった。

「神だのみ」というと、「あきらめ」のような響きもあるが、二人の言葉には、いらぬ固執が感じられない、良い意味での「あきらめ」があったように思う。

言葉を換えれば、「人事尽くして天命を待つ」となろうか。

その雰囲気は、「なでしこ」の名の通り、古き良き日本を感じさせるものであった。



試合内容を振り返っても、やはりアメリカが勝ってもおかしくないと思えるものだった。

ただ、印象的なのは、「なでしこ」たちの淡々とした「粘り強さ」である。

前後半、そして延長戦を通じて、アメリカは常に先制しており、日本は「死地」に立たされっぱなしだった。

それでも、「なでしこ」たちは、小さなチャンスから、まさかまさかの同点ゴールを2度も決め、まさかのPK戦まで持ち込んでしまった。

「死中に活あり」という言葉を地で行くような「なでしこ」たちが、フィールド上で必死に奮闘していた。



PK戦になると、それまでのアメリカ優位の形勢は、一気に逆転する。

アメリカの一発目を、キーパーの海堀選手が「神がかり」的にセーブ。

ボールの飛ぶ方向を読み間違えてなお、ボールは奇跡的に足に引っかかった。まさに「神の足」であった。

この一発目の神プレーを機に、アメリカはタジタジとなってゆく。その浮き足立った姿は、同情を誘うほどであった。

結局、アメリカはキッカーを2人も残して、日本に優勝を捧げることとなった。



アメリカに押されに押されて、いつ潰されてもおかしくなかった日本が、最期の最期に、強豪アメリカを一気にひっくり返した。

受けて受けて、最期に返す。まるで日本最古の兵法書「闘戦経」に出てくるような戦いぶりである。

主将・澤選手は、対戦前日に「歴史に残る一戦をする」と言っていたが、この一戦は、まさに歴史。

この歴史をリアルタイムで共有できた我々は、本当に幸運であった。



小さな日本人たちの大勝利。

日本の真骨頂、ここにあり。




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