2012年9月26日水曜日

「夢の力」を東京へ! オリンピック招致


東京でのオリンピック開催を阻むもの、それは「国民の関心」の低さ。

対抗馬となる「イスタンブール(トルコ)」での支持率は73%、「マドリード(スペイン)」では78%。それに対して東京は「賛成47%」に過ぎない。

IOC(国際オリンピック委員会)は、「支持率の高い国でなければ、オリンピックは成功できない」と考えているため、東京の支持率の低さは大きな懸念材料なのである。



ところが、実際には「日本人ほどオリンピックが大好きな国民はいない」とも言われている。なぜなら、オリンピック放送の視聴率は「日本が世界でダントツ」という調査結果があるからである。

東京開催に賛成でも反対でもない「どちらでもない」と答えた30%の人々は、いざオリンピックが始まると、じつは熱烈な支持者に転じる可能性が高いのだ。

今回オリンピックの行われたロンドンでさえ、地元住民の関心は51%にとどまっていたが、いざ大会が始まるとどうだろう、「オリンピックがロンドンに来てくれて、本当に良かった」と大喜びをしたのである。



2016年のオリンピック開催に手を挙げた東京は、リオデジャネイロ(ブラジル)に逆転負けを喫した。

それは、「支持率の低さや、三方を海に囲まれたメインスタジアムへのアクセスの問題、選手村の敷地の狭さ」などが評価を下げた結果だった。

しかし今回、再度の立候補にあたって、「すべて改善しました」とJOC会長の竹田市は自信を見せる。実際、IOC(国際オリンピック委員会)も「問題を改善した東京に、非常に関心を寄せている」そうだ。



オリンピックには「夢の力」がある。

「夢は叶う」と信じ続けた”なでしこジャパン”の澤穂希選手は、本当に夢を叶えた。卓球の福原愛選手は、20年もの努力の末、日本卓球界に初のメダルをもたらした。

そして、そのメダリストたちが一同に会した銀座でのパレードには、なんと50万人もの人々が押し寄せたのだ。「これは驚きました。50万人という大勢の人を見たのは、生まれて初めての経験でした」と竹田氏。



「今のニッポンに必要なのは『夢の力』だ」

一度でも「夢の力」を見た人々は、たちまちその虜になる。

「閉塞感に包まれた今だからこそ、日本にはオリンピックという『祭り』が必要なのではないでしょうか」

「なぜオリンピックを目指すのか?」という問いに、招致委員会の理事長でもある竹田氏は、そう答えた。



「税金がもったいない?」

1984年のロサンゼルス五輪以降、夏季、冬季を含めて、赤字になったオリンピックなど一つもない。東京オリンピックの経済効果は「約3兆円」という試算もある。15万人の雇用増も見込まれることから、むしろ税収が増えることも期待される。



「渋滞がイヤだ?」

「今度のオリンピックは、選手村を晴海に建設する予定で、そこを中心とした半径8km圏内が主な会場となります。つまり、オリンピックによる人の群れと都心部分の交通網がバッティングすることは少ないはずです(竹田氏)」



オリンピックが大好きな日本人。

あの「皮肉たっぷりのイギリス人」でさえ、オリンピックの「夢の力」には夢中にならずにいられなかった。愛国心が行き過ぎて、「大金を使って開くことがあったのか」という問いは、「非国民」とまで言われた。

ましてや、日本人をや。

きっと渋滞も大目に見る気になるのだろう。





出典:Sports Graphic Number 2012年 9/27号
「今こそ、東京にオリンピックを」

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