2013年3月10日日曜日

低迷の果て、外国人監督を初めて迎え入れた男子バレー



「バレーボールは日本の男子ボールゲームで唯一、オリンピックの金メダルを持っている」

それは今から40年ほど前の、ミュンヘン五輪(1972)での金メダルだ。



しかしながら、その後40年間で、世界との差は年々開き、現在の世界ランキングは19位にまで落ち込んでしまっている。アジアの中でも、オーストラリア、イラン、中国に次ぐ4番手である。

日本男子バレーはもはや、金メダルどころか、オリンピックに出場することさえ難しくなった。

「北京オリンピック(2008)には4大会ぶりの出場を果たしたが、昨年のロンドン五輪はふたたび出場権を逃した(Number誌)」



金メダルという「過去の栄光」。皮肉にもそれが日本バレーのこの40年間を低迷させてきた。

「一度は栄光を忘れて、ゼロから、新たな視点で物事を考えていかないと先はない(日本協会・中野泰三郎会長)」

日本バレーはかつて、体格では欧米諸国に劣るものの、組織力や緻密さ、技術力の高さが評価されていた。しかし今や、「高さとパワーだけでなく、そうした面でも世界の国々は日本を上回っている(Number誌)」。



過去の栄光を知る日本男子バレーは、長く低迷しながらも、「外国人監督」の起用に踏み切れなかった。

「せっかくここまで日本人の監督でやってこれたんだから、これからもやれるんじゃないか」

そんな保守的な意見に押され続け、サッカーのように積極的に外国人監督を招聘することは、ついぞなかった。



ところがここに来て、「遅ればせながら、変革の時は来た」。

「日本バレーボール協会は、男子バレーの代表監督に、アメリカ国籍のゲーリー・サトウ氏を選任した。日本バレー界初の『外国人代表監督』の誕生だ(Number誌)」

曽祖父が仙台出身という日系4世のサトウ氏。彼は長年、アメリカ男子代表のコーチを務めてきた実績がある。「ソウル五輪の金、バルセロナ五輪の銅メダル獲得に貢献し、昨年のロンドン五輪でも5位に入るなど、『世界トップ争い』の中に身を置いてきた(Number誌)」



アメリカは、世界的に主流となったブロック・システムを生み出した国。

サトウ氏に言わせれば、日本の弱点は「ブロック」。

「ブロックのシステム、戦略、知識、すべてを作り替えたい」とサトウ氏は意気込む。



選手たちも、この新しい風を歓迎している。

「非常に楽しみです」とエースの福澤達哉(パナソニック)。「自分が今見ている世界は、本当に狭いものだと思うので、自分の視野を広げてくれるような監督であって欲しいと期待しています」。



「世界と戦える日本」への改革。

それはまだ、手遅れではないはずだ…!








関連記事:

「中国と戦う夢」。脱・根性バレー、眞鍋監督

指を骨折していたセッター「竹下佳江(バレーボール)」

「一億円プレーヤー」となった木村沙織・バレーボール



ソース:Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2013年 4/4号 [雑誌]
「初の外国人監督誕生で男子バレーは変革なるか」

0 件のコメント:

コメントを投稿