2013年6月28日金曜日

テニス・ウィンブルドン、「魔の水曜日」



テニス・ウィンブルドン

女子・世界ランク3位の「シャラポワ」が、まさかの2回戦敗退。相手は世界ランク131位と低迷していたラルシェル・デ・ブリートだった。



この試合中、シャラポワは「3度の転倒」に見舞われ、試合途中の休憩で左臀部の治療を受けた。

その際、コート・コンディションの「危険性」を主張したが、試合はそのまま続行され、結局シャラポワはストレート負けを喫してしまった。

試合後、シャラポワは「これまでのキャリアを通じても、1試合で3回も転んだのは初めてだと思う。だから、ちょっとおかしいと思った」と話している。



一方の対戦相手ラシェル・デ・ブリートは、こう話している。

「彼女(シャラポワ)は、かなり激しく転んでいた。こういったグラス(芝)コートは滑りやすくなることがあるのよ。刈られた芝が残っていることも多くて、その芝が表面にあると滑りやすくなるのよね」










一方、世界ランク2位の「アザレンカ」も2回戦の開始直前になって、「棄権」を余儀なくされた。

その後の記者会見でアザレンカは、「コートの状態が、選手の安全性を守るものではなかった」と批判している。

じつは、アザレンカは1回戦で「試合中に泣いてしまうほど激しい転倒」をしており、MRI検査の結果、右ヒザをひどく損傷していたのだ。



その1回戦を振り返るアザレンカ、「あの日のコートの状態は、あまり良くなかった。私の転び方はとくにひどかったけど、相手も2回転倒していた」。

その同じコート、アザレンカの試合後も転倒者が出ている。



女子シングルスは、「疑惑の芝」によって早々に世界ランク2位(アザレンカ)と3位(シャラポワ)が姿を消した。

と同時に、男子シングルスでも、世界ランク3位のフェデラー、同5位のナダルもすでに敗れている(フェデラーは2回戦敗退、ナダルは初戦敗退)。










大荒れに荒れている今年のウィンブルドン。

とりわけ、シャラポワ、フェデラーらの消えた「6月26日の水曜日」は「魔の水曜日」と呼ばれている。

「試合前と試合中を含めて『棄権選手が一日に7人』も出たのは、グランドスラム(四大大会)史上初めての出来事だった(AFP通信)」



選手らは「コート状態」に疑問を呈しているわけだが、クラブの広報担当者はコートが危険な状態にあることを「否定」している。

「コートの事前整備は細部にわたって例年と同じ基準で行なっている。選手なら、大会開始直後のサーフェス(表面)が芝で密生しているのは理解しているはずだ。多くの選手から、コートは非常に良い状態だという賞賛の声も届いている」



「滑る」グラスコートにうまく対応した選手にはチャンスが広がっている。

とりわけ、世界ランク2位の「マレー」は母国ウィンブルドンでの初優勝を生涯の悲願としている。昨年大会は決勝で敗れ、「センターコートで号泣」した。



というのも、イギリスで行われる「ウィンブルドン大会」において、最後に地元イギリス人選手が優勝したのは「1936年大会(フレッド・ペリー氏)」。じつに77年間も、イギリス人選手は本国優勝から遠ざかっているのである。



「魔の水曜日」は雪辱に燃えていたマレーに幸いした。昨年決勝で苦杯を舐めさせられた相手、フェデラーはグラスコートに消えてしまったのだ。

世界ランク3位のフェデラーが2回戦で敗れるのは、過去10年の四大大会(グランドスラム)ではこれまでなかったことだ。










マレーは冷静に、「魔の水曜日」について語る。

「それがスポーツさ。何が起こるかわからない」

「番狂わせというのは、日々起きること。人は先読みしがるけど、そんな予想通りに事は運ばないんだ。いろんなことがいとも簡単に起きてしまうんだから。階段から落ちることがあるかもしれないし、靴ヒモにつまづいてしまうかもしれない」



そのマレーは順当に3回戦に勝ち上がり、確実に優勝への階段を登っている。










(了)






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ソース:AFP通信
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