2016年4月13日水曜日

ラグビー日本代表をケアした体調データ






エディー・ジャパン(ラグビー日本代表)の選手らには、朝起きて必ずやらなければならない日課があった。スマホに、疲労度・睡眠の質・ストレスレベルなどの主観的なデータを打ち込むことだった。

それら選手の自己申告データに、脈拍や体温といった客観的データが加味され、もし疲れが溜まっている選手がいたら、コーチらにアラームメールが自動送信される。この明快なデータ分析および管理を司っていたのが『One TAP』というシステムだった。



この『One TAP』の開発にたずさわった橋口寛さんは言う。

「エディーさんは強烈な人でした。目的達成のためには何でもやる」

ある講習会、エディーは日本の指導者たちに、こう言い放った。

「日本には本気で勝とうとしているチームが極めて少ない。君たちは趣味でやっているだけだ。いま変わらないで、いつ変わるんだ!」





One TAP』は選手の「コンディションの番人」であると同時に、ストレングスの管理システムでもあった。

橋口寛さんは言う。

「エディーさんの伝手(つて)で世界トップ10のデータが手元にあり、たとえばベンチプレスの標準値と自分の値を比べられる。最初は大人と子供くらいに差があったのが、どんどん縮まっていきました」





そして迎えた2015年ラグビーW杯、イングランド大会。

ラグビー日本代表は、南アフリカから大金星を奪取した。

橋口寛さんは言う。

「南ア戦は恵比寿のパブで、みんなと号泣しました」






ソース:Number(ナンバー)891号 特集 日本ラグビー新世紀 桜の未来 (Sports Graphic Number(スポーツ・グラフィック ナンバー))
橋口寛「スポーツ仕事人 連載57」



関連記事:

「奇跡じゃなくて必然です」日本vs南アフリカ [2015ラグビーW杯]

歴史的敗北から歴史的勝利まで [ラグビー]

大金星! ラグビー日本代表 vs ウェールズ




0 件のコメント:

コメントを投稿